Q&A(船舶編)

海や船や、宗谷についてなど
よくいただく質問についてお答えいたします。
船舶編

船のはじまり

船の歴史は地球上に人類が誕生したときからはじまりました。水辺に住む人が川を渡らなくてはならなくなったとき、はじめは泳いだのでしょうが、荷物があれば泳ぐのはむずかしくなります。そんなとき、たまたま浮いていた木の枝を利用して荷物を運んだりしたことは、じゅうぶんに想像できます。やがて、木の枝をたばねてよりたくさん荷物をのせたり、人がまたがったりするようになり、これが船のおこりといわれています。
 やがてさまざまな工夫や改良が加えられるようになり、船の進化がはじまります。丸太を組みあわせたいかだや、丸太をくりぬいた丸木舟が登場します。船を造るには材料が簡単に手に入らなければなりませんから、丸太がないところでは、たとえば竹やアシがつかわれました。動物の皮をぬいあわせて中に空気を入れて浮き袋とし、それをならべていかだにした例もあります。けれども、これらの方法では大きな船を造れませんし、波にたいして弱く、岸辺をゆっくり行き来するのがやっとだったと考えられます。
 より遠くへ安全に航海することができるようになったのは、組立船と呼ぶ船が造られるようになってからです。組立船は船の骨組みをじょうぶに造り、それに板などをはりつけて造られました。紀元前4000年ぐらいと推定されている出土品に、組立船らしき船が描かれています。この組立船は現在の船の原形になるもので、その後さまざまな改良が加えられ、それぞれの地域に適した形に発展していきました。船の動力もかいから帆へ変わり、19世紀に入ると蒸気機関がつかわれだしました。船の材料も木から鉄、鋼鉄と変わり、今日にいたっています。参考資料:海と船なるほど豆辞典

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船の三つの要件

(1) 浮かぶ(浮揚性)/
水に浮かぶ アルキメデスの原理(紀元前3世紀ごろギリシャの学者が発見)。 水の中では、物の体積と同じ量の水の重さだけ軽くなります(浮力)。 水の中の物の重さが、その物と同じ体積の水の量の重さより軽い場合は、重さ(重力)より浮力の方が勝って「浮く」ことになります。

(2) 乗せる(積載性)/
人や物を乗せる ただ浮かぶだけでは船とは言えません。流木と同じです。より安全に多くの人や物を乗せる有益性、経済性を工夫した構造が必要です。

(3) 動く(移動性)/
人や物を運ぶ 船は、櫓櫂やスクリューを使って動きます。 これには力(エンジン)が必要ですが、櫓櫂やスクリューにより水を後ろへ押し出して、その反動で船が前へ進むことになります。

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船名に「丸」のつく由来は?

日本の船名に「丸」のつくものが多くあります。
「丸」のつく船名の起源は古く、記録としては、1187年仁和寺の古文書に現れた「坂東丸」が最初といわれています。
「丸」の語源やいわれについては諸説ありますが、代表的なものとして「麿・まろ」の転化から「愛称説」があります。
これはもともと自分のことを「麿」と言っていたのが敬愛の意味で人につけられ、更に犬や刀など広く愛するものに転用されました。
その「麿」がやがて「丸」に転じて船にもつけられるようになったという説です。
他に、古来船に嘉名をつけ位階を与えたという由来から「人格説」、本丸、一の丸といった城の構造物の呼称を船に見立てた「城郭説」などがありますが、いずれも定説と言えるものではありません。
また、語源にはなりませんが、明治33年に制定された船舶法取扱手続に、「船舶ノ名称ニハ成ルベク其ノ末尾ニ丸ノ字ヲ附セシムベシ」という項があり、これが明治以降の日本船名の末尾に「丸」がつくようになった大きな理由とも考えられます(平成13年の訓令改正で同条項は削除・廃止)。
外国では日本船のことを「マル・シップ」と呼ぶことがありますが、最近では片仮名や平仮名の「丸」の付かない船名も多くなっており、船名から丸の字が消えてゆくのも時代の流れかもしれません。
また、船名については「国字」を用いること以外は、特に基準や規定はなく、同名の船も登録されています

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船はどうして転覆しないの?

航海している船には強い風やうねり、三角波がおそってきます。でも、どうして船は転覆しないのでしょう。それは、船に復元力という、船がかたむいたとき、もとにもどろうとする力がはたらくためです。
 水に浮かんでいるものには、いつも重力と浮力の2つの力がはたらいています。このうち重力は船の重量の大きさで、鉛直下向き方向に作用し、重心は船体内の決まった位置で、よほどのことがないかぎり移動しません。浮力は船の排除した水の重量と同じで、鉛直上向き方向に作用し、浮心は水面下の船体の体積の中心で、船のかたむきぐあいによって、つねに動きます。
 船はこの2つの作用を利用して、かたむいたときに浮心が動いてかたむきをもどそうとする復元力がつねに生じるように、重心の位置と船底の形状をじゅうぶんに考えて造られているのです。ですから大きな波がきても、よほどのことがないかぎり、転覆することはありません。参考資料:海と船なるほど豆辞典

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暮らしをになう船

わたしたちの暮らしの基本となる「衣」「食」「住」の多くを日本は輸入に頼っています。また、日本でつくられた製品などは海外へ輸出されています。そしてこれらの原材料となるさまざまな物資や製品は、99.7%が船によって運ばれています。
 たとえば家畜の飼料になるトウモロコシや服などの原料となる綿花、羊毛は100%輸入ですし、家を建てるのに欠かせない木材はおよそ70%が輸入です。そのほかさまざまな原料、食料や製品が輸入され、それによってわたしたちは豊かに暮らすことができ、日本の経済や産業が成り立っているのです。この海外との輸送に活躍するのが外航海運です。原油タンカーやコンテナ船、木材専用船など、さまざまな船が世界から日本へ、日本から世界へ原材料や製品を運んでいます。
 世界中の輸出と輸入の貨物を船がどのくらい運んでいるのかを見ると、2012年にはおよそ95億tありました。このうち日本の貨物は9億6,000万tあり、全体の10.1%をしめています。輸入で多いのは原油、石炭、鉄鉱石、木材・チップ、飼料用トウモロコシなどで、輸出で多いのは鉄鋼、機械類、セメントです。参考資料:海と船なるほど豆辞典

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船長や機関長になるには

船長や航海士、機関長や機関士などになるには、専門の学校を卒業して、試験に合格することが必要です。
 外国航路の船の船長、機関長になるには商船大学、または商船高等専門学校へ進みます。商船大学は東京と神戸にあり、帆船日本丸、海王丸での航海実習もふくめて4年半学びます。商船高等専門学校は全国に5校あり、中学校を卒業後、やはり航海実習をふくめて5年半学びます。これらの大学、学校を卒業して試験を受け、合格すれば三級海技士の資格をとることができます。そして船会社に入ればいよいよ航海士、機関士としてスタートです。その後、決められた日数以上船に乗り、二級海技士、一級海技士の試験に合格していくと、外国航路の船長や機関長として船を動かすことができるのです。
 国内航路の船に乗るなら独立行政法人海員学校へ入学する方法があります。海員学校には、中学校を卒業後、帆船実習を含め3年間学ぶ海上技術学校が全国に6校と、高等学校を卒業後、同じく帆船実習を含め2年間学ぶ海上技術短期大学校が2校あります。これらを卒業して試験に合格すると、4級海技士の資格をとることができます。その後さらに試験に合格すれば、船長や機関長として船を動かすことができるようになります。参考資料:海と船なるほど豆辞典

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